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歯を失った場合は、義歯を用いて審美面や機能面を補わなくてはなりません。義歯=入れ歯と思われている方も多いですが、正確には義歯と入れ歯は同じではありません。義歯のなかには入れ歯も含まれますが、その他の選択肢もあります。
本記事では、義歯と入れ歯の違いや、義歯の治療法と費用相場について詳しく解説しています。義歯の治療を受けずに放置しているとどうなるのかについても説明していますので、歯を失った際の治療について不安がある方はぜひご参考にしてください。
義歯とは歯を失った際に、見た目や咀嚼機能を回復させるために用いられる歯科補てつ物のことを意味します。
義歯はこのような歯科補てつ物の総称です。義歯=入れ歯と思われている方もいますが、入れ歯は義歯の一種です。
歯を失うと審美面や機能面に影響しますが、義歯を装着することで、審美面と機能面の回復が可能です。
歯を失ったまま放置していると、歯並びが乱れたり、咀嚼機能が低下したりとさまざまなリスクを伴います。
歯がない状態を放置せず、失った歯の機能を補うために義歯を装着しましょう。
義歯の1つに入れ歯がありますが、入れ歯は歯科専門用語で「デンチャー」とも呼ばれます。
義歯は固定式のものと、着脱が可能なものの2つに分けられますが、入れ歯は着脱が可能です。義歯のなかでも入れ歯は大がかりな治療が必要なく、低価格で治療を受けられる特徴があります。
義歯の治療の選択で迷われている場合は、まずは入れ歯を作製してみるのもよいでしょう。
「入れ歯と義歯の違いが分からない」という方も少なくありませんが、入れ歯は義歯の一種です。義歯は歯を失った際に使用する人工歯の総称であるのに対し、入れ歯は義歯のなかの1つの治療を限定した呼び方です。
ここでは、義歯の治療法にはどのような種類があるのか、それぞれの治療法の特徴について詳しく解説します。
義歯の治療法は以下の3つです。
入れ歯
インプラント
ブリッジ
いずれも歯を喪失した場合に、審美面や機能面を補うために行われる治療です。しかし、同じ義歯であっても、治療方法や費用、仕上がりは全く異なります。
入れ歯とは、歯を失った部分に装着する取り外しが可能な装置のことです。大きく分類すると、総入れ歯と部分入れ歯に分けられ、総入れ歯とは全ての歯を失った際に用いられる入れ歯のことを意味します。一方で、部分入れ歯とは一部の歯を喪失した際に用いられる部分的な入れ歯のことです。部分入れ歯の場合は、残っている歯を支えとして、入れ歯を固定します。
入れ歯治療は型取りをして入れ歯を作製し、調整しながらご自身のお口の形状に合わせていきます。ブリッジやインプラントより治療期間が比較的短く、手術なども必要ないため、全身の健康状態を問わず誰もが受けられる治療です。
ただし、入れ歯は永久的に使用できるものではありません。歯茎や骨の形状は加齢と共に変化するため、入れ歯が合わなくなってしまいます。その際には修理や新調が必要です。
また、入れ歯には保険診療のものと自由診療のものがあります。
保険診療のものは費用を抑えて治療を受けられるため、費用面を重視する方におすすめです。一方で、自由診療のものは使用する素材や設計が自由であるため、患者さまのお悩みに適した入れ歯を作製できます。
保険診療の入れ歯にするか自由診療の入れ歯にするかは、患者さま自身で選択が可能であり、予算に合った入れ歯を作製しやすいでしょう。
インプラントとは、歯を失った部分にインプラント体と呼ばれるネジを埋め込み、その上に被せ物を装着する治療法です。
インプラントのねじ部分は歯茎の中に埋まって見えないため、自分の歯のような自然な仕上がりになります。天然歯と同程度の噛む力も回復でき、さまざまな食事を楽しめるでしょう。
そして、インプラントは、ブリッジや部分入れ歯のように残っている歯に負担がかからない治療であるため、残っている歯の健康も維持できる治療です。
ただし、インプラントは手術が必要です。
患者さまの健康状態や顎の骨の状態によっては、治療を受けられないこともあります。
インプラント体を埋入してから、インプラント体と骨が結合するまで待つ必要があるため、インプラント治療が完了するには数ヶ月〜1年程度の期間が必要です。
また、インプラントは保険が適用されないため、自由診療の治療となります。治療費が高額になるデメリットがありますが、メンテナンスと丁寧なケアを継続することで10〜20年と長持ちさせられる可能性もある治療です。
ブリッジとは、失った歯の前後の歯を土台として、連結した被せ物を装着する治療法です。インプラントと同じく見た目は自分の歯のような仕上がりになります。
被せ物は歯科用セメントで固定されるため、しっかりと噛むことが可能です。
ただし、ブリッジの場合は、失った歯の前後の歯を削って被せ物にしなければなりません。土台となる歯に負担がかかりやすいといえるでしょう。
また、連結した被せ物は欠損部に食べカスが詰まりやすく、歯磨きが難しくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるため、歯間ブラシなどの補助清掃用具が必要です。
治療期間は、ブリッジの本数や土台となる歯の状態によっても異なります。根っこの治療が必要な状態であれば、根管治療を行ってからブリッジの治療に入るため、治療期間は長引くでしょう。根管治療が必要なく欠損歯も少ない場合は、1ヶ月程度で治療が完成します。
また、ブリッジも保険診療か自由診療の選択が可能です。自由診療であれば、セラミックやジルコニアの素材を使用したより審美性にこだわった仕上がりにすることができます。
「歯がなくても噛めるため、治療しなくてもいい」と考える方もいます。しかし、欠損部に義歯を入れずに放置しているとさまざまなリスクを伴います。
義歯を入れなかった場合、どうなるのかについて以下で解説します。
歯は空いたスペースに動こうとしてしまうため、歯がない状態を放置していると、左右の歯が傾いてしまいます。噛み合う歯がなければ反対側の歯が延びるように出てきてしまうため、その結果、歯並びも噛み合わせも乱れるようになります。見た目だけでなく咀嚼機能も悪化してしまう恐れがあるのです。
歯がないまま放置していると、欠損部では噛めないため、噛む場所に偏りが出てきます。噛む時に同じ歯ばかりを使うようになると、残っている歯に負担がかかってしまいます。
噛む場所に偏りが出ると、顎関節症や歯根破折などのリスクも高まるため、左右バランスよく噛める状態にしなければなりません。
発声時に歯がない部分から空気が漏れてしまうため、発音が不明瞭になってしまいます。はっきりとした発音ができず相手にうまく伝わらないなど、ストレスに感じることもあるでしょう。
また、歯がない場所があることで、舌がうまく使えずに発音に支障が出ることもあります。
歯がないと咀嚼力が低下するため、消化がうまくいかず胃腸に負担がかかる恐れがあります。
それだけでなく、咀嚼力が低下することで、食べられるものが限られてしまい食事を楽しめないこともでてくるでしょう。
歯の本数が少なくうまく噛めない人は認知症のリスクが高まる恐れがあります。厚生労働省の研究によると、歯がほとんどなく、咀嚼力が低下している人は、歯が20本以上残っている人に比べて認知症リスクが1.9倍高まるという結果が報告されています。
噛むことで脳への刺激が伝わるわけですが、よく噛まずに飲み込んでいる状態だと脳への刺激が伝わりにくく、認知症のリスクが高まってしまいます。
歯を失った場合は、全身の健康のためにも義歯を使用し、咀嚼力を確保する必要があります。
出典:https://cws.umin.jp/press-releases/033.pdf
義歯の治療を受けるうえで多くの方が気になるのが費用面でしょう。ここでは、入れ歯の費用相場について詳しく解説します。入れ歯治療を検討されている方はぜひご参考にしてください。
保険診療は患者さまの負担割合によって費用が異なります。
3割負担の場合、総入れ歯だと15,000〜20,000円程度であり、部分入れ歯だと5,000〜15,000円程度です。
特に部分入れ歯の場合は、歯がない本数によって異なるため、事前に歯科医師に確認しておくとよいでしょう。
自由診療の場合は、歯科医院で料金設定が可能であるため、歯科医院によって費用は異なります。
また、使用する素材や入れ歯の大きさでも大きく異なるため、正確な費用はかかりつけの歯科医院で確認しましょう。
金属床義歯とは、入れ歯の主要部分に金属を用いた入れ歯です。保険診療の入れ歯の場合、レジンと呼ばれる歯科用プラスチックで作られていますが、レジンは強度が劣るため、厚みを持たせて強度を確保する必要があります。
一方で、金属床義歯であれば丈夫で強度が高い金属を使用するため、入れ歯自体の厚みを薄くしても強度を保てます。保険診療の入れ歯の1/4程度まで厚みを薄くでき、違和感を軽減できる入れ歯です。
また、熱伝導率も高いため、食事の温度も楽しむことができます。
「違和感が少ない入れ歯がいい」「壊れにくく丈夫な入れ歯がいい」という方におすすめです。
コンフォートデンチャーとは、入れ歯の内側に柔らかいクッションを貼り付けた入れ歯です。クッションがあるため歯茎が傷つきにくく痛みを抑えられます。
歯茎が薄い方や、入れ歯が当たると痛みを感じやすい方におすすめの入れ歯です。
インプラントデンチャーとは、インプラント治療と入れ歯治療を組み合わせたものです。
まずはインプラントを埋入し、インプラントを固定源として入れ歯を装着します。
インプラントで入れ歯を固定することで、入れ歯の安定性が保たれ、ズレやすさを解消できたり噛みやすくなったりというメリットがあります。
また、インプラントによってしっかり固定されるため、上顎の入れ歯の場合は、床部分をくり抜いた形にすることが可能です。床部分をくり抜くことで入れ歯の面積が小さくなり違和感の軽減につながります。
磁性アタッチメントデンチャーは、残っている歯に磁性金属冠を装着し、入れ歯の内側には磁石を埋め込みます。
磁力を利用して入れ歯を固定させる方法で、残っている歯にも負担がかかりにくい特徴があります。
入れ歯の安定性が保たれるため「入れ歯がズレやすい」という方におすすめです。
ノンクラスプデンチャーとは金属のバネを使用しない部分入れ歯のことです。
保険の部分入れ歯は、残っている歯にクラスプと呼ばれる金属のバネを引っ掛けて入れ歯を固定します。
このクラスプは審美性にも影響し、入れ歯の着脱のたびに残っている歯が揺さぶられる形となり残存歯にかかる負担も大きくなってしまいます。
ノンクラスプデンチャーであれば、クラスプを使用せず、弾性のあるピンク色の樹脂で残っている歯を覆うような形で入れ歯を固定します。クラスプがないため、自然な仕上がりが可能です。
「目立ちにくい部分入れ歯がいい」という方に適した入れ歯です。
「入れ歯は管理が難しそう」という方もいます。実際に入れ歯を使用する場合、どのようなケアが必要になるか説明します。
入れ歯にも汚れが付着するため、毎日ブラッシングで清掃する必要があります。
まずは水で軽く洗い流し、その後専用のブラシを用いて入れ歯を磨きます。この時、硬いブラシで力強く磨いたり、粒子の荒い研磨剤が含まれた歯磨き粉を使用したりすると入れ歯が傷付く恐れがあります。
入れ歯に傷がつくと、汚れが付着しやすくなるため、専用の柔らかいブラシを使用するようにしましょう。
入浴時や睡眠時は入れ歯を外すようにしてください。
入れ歯を外す時間を確保することで歯茎を休める目的があります。
また、部分入れ歯であれば、飲み込んでしまい窒息する恐れもあります。このような危険を回避するためにも、入浴時や睡眠時は入れ歯を外すようにしましょう。
ただし、噛み合わせや口の状態によっては、睡眠時も装着するよう指導されることもあります。その場合は、歯科医師の指示に従うようにしましょう。
入れ歯は毎食後洗浄するようにしましょう。
食事をするたびに汚れが付着するため、入れ歯を洗浄し、清潔に保つようにしてください。不衛生なまま入れ歯を使用していると、口内炎が発生したり、誤嚥性肺炎のリスクが高まったりします。
入れ歯の使用方法の注意点について説明します。入れ歯を長持ちさせるためにも、日頃から以下のような点に注意して使用するようにしましょう。
入れ歯も口の中もていねいに清掃し、清潔に保つようにしましょう。
不衛生な状態は口臭や口内炎が発生する原因となります。
入れ歯だけでなく、残っている歯もていねいに磨くことが大切です。
入れ歯は乾燥すると、割れたり変形したりする可能性があります。そのため、入れ歯を外した後は水や洗浄液につけて保管するようにしましょう。
口の中に装着している間は唾液によって水分を保てますが、外した後は乾燥するため注意しなければなりません。
硬い食べ物は入れ歯が欠けたり割れたりする可能性があるため注意が必要です。無理に噛むことで痛みが生じることも少なくありません。硬い食べ物は避けたほうがよいでしょう。
そして、粘り気のある食べ物は入れ歯が外れやすくなります。ガムやキャラメルの場合、入れ歯にくっついて落としづらくなることもあります。そうなると、細菌が繁殖する原因にもなるため気をつけましょう。
入れ歯は強い衝撃が加わることで破損したり変形したりする可能性があります。ていねいに扱い、強い衝撃を与えないようにしましょう。
洗面台で入れ歯の洗浄をしている際に、入れ歯を落として破損してしまうというケースもあります。入れ歯を洗浄する時は、洗面器に水を張った上で洗浄すると、落とした際の衝撃を和らげるでしょう。
入れ歯を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
歯茎や骨の形は加齢によって変化するため、同じ入れ歯を長期間使用していると適合が悪くなります。
適合が悪いまま無理に使用していると、歯茎が傷ついたり、咀嚼力が低下したりする原因となるため、定期検診で歯科医師の診察を受けるようにしましょう。
状態によっては、入れ歯の修理や新しく作り直す必要もあるでしょう。
義歯とは、入れ歯のことだけではなく、歯を失った際に用いる人工歯の総称のことを意味します。歯を失ったまま放置していると、審美面や機能面、健康面に影響を及ぼします。入れ歯やインプラント、ブリッジのいずれかの方法で治療したほうがよいでしょう。
入れ歯は義歯のなかでも気軽に受けやすい治療です。保険診療か自由診療か患者さま自身で選択できます。入れ歯は永久的に使用できるものではありませんが、適切に管理することで長持ちできるでしょう。入れ歯治療を希望される方は、本記事を参考に入れ歯を使用してみてください。
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