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入れ歯の悩み

超高齢化社会を迎える今、70歳以上の方で部分入れ歯を装着している割合は4割以上になるというデータが出ています。
年代が若い方でも、むし歯や歯周病などで早期に奥歯を失ってしまう方もいます。
奥歯を失うと見た目の変化だけでなく、食事や会話への影響が出てしまい生活の質が低下することに繋がります。
奥歯に限らず歯を失った際は、トラブルが生じる前に適切な治療を受けることが大切です。
今回は、部分入れ歯の種類や費用相場、部分入れ歯にするメリット・デメリットなどについて詳しくご説明します。
奥歯を失ったときの対処法として選べる選択肢は主に3つです。
ご自身の目的や希望に合わせた治療法を選びましょう。
歯を失ってしまった部分に人工歯となる入れ歯を装着して補う方法で、自分で取り外しができます。
自分の歯が一本でも残っている場合は部分入れ歯が適応されます。仮に失ってしまった歯が一本のみであっても、部分入れ歯を選択することが可能です。
部分入れ歯は、隣接する天然歯にバネをかけ歯ぐきを土台にして安定させます。保険では金属製のバネを使用するため、審美性が低下する欠点があります。
自費治療であれば選択肢が増えるため、人目に付きにくいバネを使用することもでき義歯でも見た目がよくなります。
ブリッジは失った歯の両隣の天然歯を削り、被せ物で修復させる方法です。
失った歯の本数が多ければそれだけ長いブリッジとなり、失った歯の部分は金属で作られた飾り歯になります。
ブリッジは接着剤で隣在歯に固定されるため、入れ歯と違って自分で着脱することはできません。
保険適応内で治療する場合には、金属製で銀色の被せ物になりますが自費治療では天然歯に似た色味や艶などを再現したセラミックなどで作製することが可能です。
歯を失った部分の顎の骨にインプラント体を埋入して、そこを土台に歯の部分となる被せ物を装着させる方法です。
被せ物の歯はインプラントの土台に固定しますので、ブリッジと同じで自分で着脱することはありません。
インプラント治療は、インプラント体と顎の骨が結合するまで数ヶ月の時間が必要になるため、治療期間としては部分入れ歯やブリッジよりも長期に渡ります。
保険適応外になるため自費治療となり高額ですが、天然歯と似た違和感のない噛み心地と審美性の高さが特徴です。
歯を失ってすぐ、もしくは短い期間に一次性障害と言って噛む機能の低下が起きます。
その後、治療をせず放置した時間が長くなると全身的な影響が出始め二次性障害へと進んで行きます。
奥から2番目の第一大臼歯と呼ばれる歯は、噛む動作に一番関与している歯で、一本失うだけで噛む効率が50%以上下がると言われています。
奥歯を失い食べ物を十分に噛み砕くことができない場合、胃や腸などの消化器官に負担がかかり胃痛や消化不良などを引き起こす原因になります。
食物をしっかり噛めずに咀嚼回数が減ってしまうと唾の分泌量も減ってしまいます。
唾には口の中の食べかすや汚れを洗い流してくれたり、酸性化に傾いてむし歯になりやすい環境になっているお口の状態を中性に戻してくれる働きもあります。
唾が減ってしまうことはむし歯や歯周病のリスクが高くなることにもつながります。
顔の輪郭や身体のバランスは上下左右の奥歯がしっかりと噛み合っていることで成り立っています。
奥歯を失ったままにしておくと、身体のバランスが崩れ転びやすくなったり頬がコケた印象になるなど外見にも変化が起きてきます。
頬が内側に窪むことで老けた印象を与えることもあるでしょう。
また、左右均等に噛み合わせが取れないことで顎の歪みから顔のバランスが崩れることもあります。
その他にも顎関節の痛みや肩こり、頭痛といった全身への不調が起きやすくなります。
奥歯を部分入れ歯にすることでどのようなメリットが得られるのでしょうか?
部分入れ歯を選択することのメリットは複数ありますので解説します。
奥歯を失った際の選択肢として、部分入れ歯やブリッジ、インプラントがありますが、インプラントは自費治療になるため相場40万円程の高額な自費治療になります。
保険適応で治療を受ける場合、ブリッジやインプラントに比べ部分入れ歯はコストを抑えて治療ができます。
インプラントは、歯茎の切開や顎骨にインプラント体を埋入し接着するまで待つ期間が必要です。
そのため治療期間は半年から一年程度かかります。
部分入れ歯は、インプラントのように外科的な治療が必要ないため1ヶ月程と短期間での作成が可能になります。
ブリッジと比較しても天然歯を削る量はごく僅かなので、体への負担の軽減や早く治療を完了させたい方に選ばれています。
部分入れ歯は自分で取り外しができる唯一の治療方法です。
食後や寝る前など汚れが気になるタイミングで入れ歯を外して丁寧にお手入れをすることができます。
食べカスや汚れが気になればいつでも着脱して自分でケアすることができるため、口腔内の衛生環境が保たれます。
奥歯を部分入れ歯にすることのデメリットもあるので、メリットと両方を考えながら治療法を選択するのがよいでしょう。
ブリッジやインプラントと比較すると部分入れ歯は数年で破損したり、お口の状態に合わなくなるなど、何らかの理由で寿命を迎えるまでの期間が短い傾向にあります。
部分入れ歯が寿命を迎えた際には、新しく入れ歯を作る必要があります。
何度も作り直すのに時間や費用をかけるのは疲れてしまいます。部分入れ歯を選ぶ際には将来的なことも考慮することが大切です。
部分入れ歯:3〜5年
ブリッジ:7〜8年
インプラント:10〜15年
部分入れ歯は、歯を失った隣の歯にバネをかけることで維持しています。
そのため、食事の度に揺さぶりなど部分入れ歯の負担がかかることで隣在歯の寿命を縮めてしまうことになります。
部分入れ歯は保険適応のものと自費で作製できるものがあります。
保険と自費で使用できる材料の種類が異なるため、装着時の違和感が少ないものもあればそうでない材質のものもあります。
審美性の優れている入れ歯と存在感が強いものなど、部分入れ歯は種類ごとにメリットとデメリットがあるので目的に合わせた入れ歯を選ぶのがいいでしょう。
レジン床義歯は、保険適応で作製可能な歯科用のプラスチック材料で作る入れ歯です。
歯ぐきに密着する床の部分は、強度を持たせるため厚みがあり装着感が強く出やすい傾向にあります。
人工歯は保険適用の中から選択されるため審美性は高くありません。
保険適用で治療が受けられるため、他の入れ歯に比べて安価に作製ができます。
作製期間も短いため急ぎで必要な方も多くの時間をかけずに治療可能です。
強度や耐久性を持たせるため厚みが必要になり、装着したときの違和感や発音のしにくさ、嚥下の妨げになることがあります。
審美性に配慮した作りではないため、見た目が気になることもあります。
金属床義歯は粘膜に接する床の部分を金属を使用して作製します。
強度のある金属を使用することで床の厚みを薄くできるため、レジン床義歯よりも装着時の違和感が少なくなりますが、自由診療のため価格は高くなります。
金属床を使用することで食べ物の温度が粘膜へ伝わりやすく、食事を楽しむことができます。
金属を使用することで強度が保たれ、壊れにくい設計をすることができるメリットもあります。
精密な型取りや技工の工程手順を多く含むため、レジン床義歯に比べると作製に時間が
かかります。
破損の際には修理ができないこともあり、作り直しが必要になった際には再度、入れ歯の作製費用がかかることになります。
磁石の力を利用して入れ歯を安定させることができます。入れ歯に磁石を取り付け、歯根には金属の被せ物をすることでしっかりと固定ができます。
会話や食事の際に入れ歯がズレたり外れることがありません。
強力な磁石で固定しているので安定性があり、噛む力を効果的に伝えることができます。
バネや複雑な仕組みがない設計のため、装着と着脱がしやすくご自身での取り扱いがスムーズに行うことができます。
見た目が自然で美しく審美性が高いことも特徴です。
歯根に金属の被せ物をする必要があるため歯を大きく削ることになります。
磁石の力で安定させているので、支えとなる歯根が歯周病やむし歯などで失ってしまうとマグネットの力がなくなり義歯は不安定になります。
粘膜に当たる部分をシリコンで作製しているため、感触が柔らかく入れ歯が当たって痛いと感じることが少ない入れ歯です。
シリコーン製で柔らかい素材のため、粘膜に触れてもダメージがありません。
フィット感が高く入れ歯がズレてしまうこともないため、食事や会話を楽しむことができます。
シリコン素材は内面の構造が粗いため、汚れが付きやすく放置すると口腔環境の悪化や口臭の原因に繋がります。
シリコン入れ歯専用の洗浄剤や柔らかい義歯ブラシでケアするなど、入れ歯の取り扱いや口腔内の衛生管理にも注意したホームケアとメンテナンスが大切です。
レジン床義歯で使用するような金属のバネは使用しないため、金属アレルギーの方でも使用ができます。
歯茎の色に似た樹脂で作製しているため見た目もよく審美性を気にする方に選ばれています。
金属のバネを使用しないので自然で審美性に優れています。
薄く軽いので装着時の違和感が少なく付け心地も良い入れ歯です。
樹脂素材で作製しているため、水分を吸収して少しずつ劣化していく性質があります。
金属床義歯の寿命は1020年と言われていますが、ノンクラスプデンチャーは23年と使用期間が短い傾向です。
柔らかい樹脂を使用しているため、入れ歯を落としたり踏んだりしてしまうと割れやすいので丁寧な取り扱いが必要です。
入れ歯は保険治療と自費治療から選択ができます。
保険治療は保険点数によって決められた金額ですが、自費治療は各クリニックで価格設定が異なるので相場を把握しておくと良いでしょう。
3割の自己負担の場合:3,000円~1万5,000円程度
1割の自己負担の場合:1,000円~2,500円程度
レジンという歯科用材料を使用した義歯で、保険治療のため低コストで作製できますが床の厚みや金属のバネが口を開けた時に目立つ可能性があります。
破損しても修理がしやすく、歯を失ってしまった場合でも新しく作り直しをせず、人工歯で増歯をし修正することができます。
25万円〜30万円程度
床には金属を使用するので厚みがなく、装着に違和感が少ない入れ歯です。
金属特有の熱伝導性があり食事の際に温度を楽しめます。
強度も高く丈夫な作りなので簡単に壊れてしまうことはないため永く使用できます。
3〜5万円程度
磁石の力で安定を保っているので着脱がしやすく、金属のバネを使用しないため審美性が高い入れ歯です。
他の入れ歯と比べると外れにくくしっかりと噛むことができます。
食事や会話、カラオケなどでも入れ歯がカタカタとズレたり落ちたりすることがないため、入れ歯でも快適に過ごせます。
10〜50万円程度
粘膜に接触する部分にシリコン材を使用しているので、感触が柔らかく装着時の違和感が少ない入れ歯です。
痛みを感じやすい硬い食べ物でも、粘膜への圧力をシリコンが軽減するためしっかりと噛むことができます。
シリコンが粘膜に吸盤のようにフィットするので外れにくくなっています。
8〜30万円程度
薄くて軽いため装着時の違和感が少なく、バネには金属を使用していないため審美性が高い入れ歯です。
金属を使用しない設計なので、金属アレルギーの方にも適しています。
適合に優れているため、入れ歯が安定してよく噛むことができます。
奥歯を失った時の対処法や部分入れ歯の種類、抜けたまま放置すると起こるリスクなどについてご説明しました。
歯を失ったまま放置すると全身への悪影響につながるので早期に治療しましょう。
奥歯を失った時の対処法は、部分入れ歯、ブリッジ、インプラント治療があります。
部分入れ歯の種類には、レジン床義歯、金属床義歯、シリコーン義歯、ノンクラスプデンチャー、マグネット義歯があります。
部分入れ歯ごとにメリットとデメリットがあるので、自分に適した入れ歯を選ぶために理解しておくと良いでしょう。
レジン床義歯は保険治療ですが、他の義歯は自費治療になるため各クリニックで価格設定が異なります。
失った歯を放置することでお口のトラブルだけでなく、全身へ影響が進んでいきます。
部分入れ歯は保険適応になるものと自費治療は複数あるので、治療を選択する際は歯科医師ともよく相談しご自身に合った方法で歯を補いましょう。
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