

院長インタビュー

岩戸歯科クリニック
院長:
木下 泉介
先生
私たちが目指しているのは、患者さまのお口の健康を長期的に維持し、豊かな人生を送っていただくことです。そのためにも、できるだけ歯を削らず、なるべくご自身の歯を残すことが大切だと考えております。
院長:木下 泉介 先生
義歯担当医:大川 周治 先生
歯学部を卒業する頃に、恩師である津留宏道先生と出会ったことが大きなきっかけです。
津留先生は歯科補綴学の教授であり、その教えを受ける中で、補綴治療、特に入れ歯による治療に深く関わるようになりました。
入れ歯治療は、単に失った歯を補うだけの治療ではありません。患者さんが再び「食べられる」ようになること、そして残された歯や口腔内の状態をできるだけ長く維持していくことが重要だと考えています。
私は、「噛めること」は「食べられること」だと考えています。
私が日本補綴歯科学会の理事長を拝命した際、「食力向上による健康寿命の延伸」というテーマを掲げました。
食べることは、健康を維持・増進するうえで極めて重要な身体機能の一つです。しっかり噛み、食べられるということは、単に栄養を摂取するためだけではありません。
人生を豊かにし、健康寿命を延ばしていくうえでも、「噛めること」「食べられること」には非常に大きな価値があると考えています。
食欲は、人が人生を全うするうえで、とても重要な欲望の一つであり、最後まで残る欲望ともいわれています。
歯科医師は、患者さんが食欲を満たすことができるよう、入れ歯などの補綴装置を用いて、「食力の向上」、つまり「食べられるようになること」に努めます。
補綴装置によって再び食べられるようになることで、患者さんは「食べられる喜び」や「食べる楽しみ」を強く感じられるようになります。
それは、その方の人生を豊かにすることにつながり、ひいては健康寿命の延伸にもつながると考えています。
日本では保険診療によって比較的安価に歯科治療を受けることができます。そのため、「悪くなったら治療すればいい」と考え、日常的な口腔健康管理をおろそかにしてしまうことも一つの要因ではないかと考えています。
もし歯科治療が高額であることが避けられないのであれば、多くの方がより真剣に口腔健康管理を実践するのではないでしょうか。
有床義歯を装着した後の長期的な管理において重要なポイントは、「力と汚れのコントロール」だと考えています。
これは私見ではありますが、義歯を長く使用し、残存歯や口腔内の状態を守るうえで、非常に重要な考え方だと思っています。
歯を失う原因には、さまざまな要因があります。
まず大きな要因の一つが、汚れ、つまり口腔清掃不良です。清掃不良によって、むし歯や歯周病が進行し、最終的に歯を失うことにつながります。
次に、ブラキシズムです。過大な咬合力や咀嚼力、さらに咀嚼とは関係のない為害性の高い「噛む力」によって、歯が破折し、失われることがあります。
また、40歳以降の加齢による免疫能の低下や、高血圧、糖尿病などの全身疾患も、歯周病の進行を通じて歯の喪失につながります。
その他にも、抜髄によって歯が失活することで、象牙質の変化による内部からの亀裂が生じ、歯が破折することがあります。
歯の欠損を放置した場合には、周囲の歯が挺出、捻転、移動することで咬合異常が生じ、咬合性外傷を経て、さらに歯を失う可能性があります。
また、不適合な義歯を使い続けることによって、支台歯に為害作用が加わり、咬合性外傷による歯の脱落や破折につながる場合もあります。
このように、歯の喪失には複数の要因が複雑に関係しています。
歯を失うことで、噛み合わせには咬合異常や咬合の不調和が生じる可能性があります。
それによって咬合性外傷が発症したり、顎口腔機能異常、いわゆる顎関節症につながることもあります。
また、歯の本数が減れば、残っている歯にかかる負担は確実に増加します。
そのため、一本の歯を失ったことをそのまま放置するのではなく、口腔全体の状態を考えながら対応していくことが重要です。
基本的に、歯列欠損に対する補綴歯科治療の第一選択はインプラント、第二が有床義歯です。
ブリッジに関しては予後が不良となりやすいため、極力避けるようにしています。
インプラントでは残存歯への負担増はほとんど認められませんが、有床義歯では残存組織への負担増を避けることは難しく、長期的には残存組織、特に残存歯の喪失につながる可能性があります。
それぞれの治療には特徴がありますので、患者さんの状態を踏まえながら選択することが重要です。
「長持ち」させるために重要な要素は、補綴装置の機械的強度、残存組織に与える負担量、口腔清掃の徹底管理、そして全身の健康管理だと考えています。
また、咬合関係は常に変化するものです。
補綴装置は、装着した時点がベストな状態であり、その後は劣化や損耗が起こります。生体の変化に対して、補綴装置が完全に追随し続けることは非常に難しいものです。
歯冠補綴装置や人工歯の咬耗、顎堤吸収など、生理的な変化であっても、咬合面再形成やリラインなどの対応が必要になります。
したがって、患者さんが考えるような「一度治療したら生涯そのまま長持ちする治療」は、ほぼないと考えた方がよいと思います。
最も長持ちするのは、生涯にわたって天然歯列を維持することです。
歯質欠損のみで抜髄を行っていない場合には、金合金などを用いた歯冠補綴が比較的長持ちする可能性があります。
一方、抜髄を行った歯は将来的に歯列欠損につながる可能性が高くなります。
歯列欠損がある場合には、インプラント治療が有床義歯補綴より有利なケースもあります。ただし、有床義歯の場合は、咬合面再形成やリライン、床破折の修理など、継続的な対応が必要になります。
自費の入れ歯と保険の入れ歯の大きな違いは、材料学的な相違にあります。
自費の義歯では、金属を多用したり、保険診療では使用できない特殊な金属や樹脂を応用したりすることができます。
ただし、「自費だから食べられるようになる」というわけではありません。
保険の義歯と比較すると、自費の義歯には、機械的強度に優れ壊れにくい、汚れにくくプラークが付着しにくい、薄く製作できるため舌感に優れる、審美性に優れるといった利点があります。
自費義歯の価値は、単純に「よく噛める」ということだけではなく、材料や構造による快適性、耐久性、清掃性、審美性などにあると考えています。
長期的なメリットについても、基本的には保険義歯との材料や構造の違いによるものが大きいと考えています。
機械的強度に優れて壊れにくいこと、プラークが付着しにくく清掃性に優れていること、薄く製作できるため違和感が少ないこと、そして審美性に優れていることなどが挙げられます。
ただし、自費義歯であっても装着後のメインテナンスは必要です。
自費だから何もしなくても長く使えるということではなく、定期的な管理を行うことが重要です。
ノンクラスプデンチャーの大きな特徴は、審美性に優れていることです。
唇側に金属のクラスプが見えないため、見た目の面で大きなメリットがあります。
ただし、使用する樹脂によっては修理が可能なものと、不可能なものがあります。
適応については、ほぼすべての部分歯列欠損症例が対象になると考えています。
コンティースは、1歯から2歯程度の少数歯中間欠損症例に適しており、そのようなケースでは特に強く推奨できると考えています。
一方で、遊離端欠損症例への適応は避けるべきです。
コンティースは、ブリッジと比較して歯質の削除量が極めて少ないにもかかわらず、ほぼ同程度の支持・把持が得られます。
さらに、審美性や舌感、清掃性にも優れている点が特徴です。
天然歯をできるだけ削らずに補綴治療を行いたいという場合に、有効な選択肢の一つになると考えています。
金属床義歯のメリットは、まず機械的強度に優れていることです。壊れにくく、汚れも付着しにくいため、プラークが付着しにくいという特徴があります。
また、金属を使用することで義歯を薄く製作できるため、舌感にも優れています。
一方で、金属床部分が破折した場合や、増歯、リラインなどの修理・調整がしにくいというデメリットがあります。
また、自費診療となるため、費用が高額になることも特徴の一つです。
メタルプライマーの応用や維持構造の付与といった前処置によって、ある程度対応できる場合もあります。
しっかり噛めるようになることで、全身の健康にも良い影響を与えると考えています。
患者さんの表情が明るくなったり、元気になったりすることもあります。また、義歯に対する不平や不満が少なくなることもあります。
「食べられるようになる」ということは、単に食事ができるようになるだけではなく、生活全体に影響を与えるものだと感じています。
食べられる食品の種類や量が増えることがあります。
また、噛む力が強くなったり、唾液の分泌量が増えたりすることもあります。
さらに、食事を楽しめるようになることで、外食の機会が増えるなど、社交性が高まることもあります。
入れ歯治療によって「食べること」が変わると、その方の生活そのものが変化することもあります。
長年治療をしていると、多くの患者さんとの思い出があります。
浦安や代々木で治療していた患者さんが、現在も岩戸歯科まで定期検診に来られていることもありますし、子どもの誕生日に、ケーキやプレゼントを買って自宅まで訪ねてきてくださった患者さんや、ズボンをオーダーメードで仕立ててくださった方もいます。亡くなる少し前に、「お礼を言いたい」と大学まで訪ねてきてくださった患者さんもいました。
長年にわたって患者さんとの関係を築き、その方の人生に関わらせていただけることは、歯科医師として非常にありがたいことだと感じています。
まず、保険の義歯との違いについて、しっかり説明することを大切にしています。
自費義歯には、機械的強度、清掃性、舌感、審美性など、保険の義歯とは異なるメリットがあります。
ただし、「長持ちする」と簡単に言うことはありません。
どのような義歯であっても、装着後のメインテナンスが重要であり、長期的に使用するためには定期的な管理が必要です。
その点も含めて理解していただくことを大切にしています。
費用対効果をしっかり説明することだと思います。
保険の義歯と比較して、自費の義歯にはどのような違いがあり、その金額に見合うメリットがあるのか。
患者さん自身が理解し、納得したうえで治療を選択していただくことが重要です。
単に「こちらの方が良い」と勧めるのではなく、治療の違いやメリットを十分に理解していただくことを心がけています。
治療後は、定期検診による口腔健康管理が重要です。
残存組織については、むし歯のチェックや歯周組織の検査、顎堤吸収の有無、咬合不均衡などを確認します。
必要に応じて、う蝕処置、歯冠補綴、口腔清掃指導などを行います。
また、義歯についても、維持力の低下、人工歯の咬耗、顎堤吸収による不適合、義歯の破損などが起こる可能性があります。
その場合には、咬合面再形成、リライン、修理、再製などの対応が必要になります。
義歯を製作して終わりではなく、長期的に管理していくことが非常に重要です。
私は、再治療は基本的には必須と考えるべきだと思っています。
修理も再治療の一つと考えられます。
咬合は常に変化します。また、口腔内は非常に過酷な環境です。その中に、生体のような再生能を持たず、生体の変化に対する追随性もない人工物である義歯を装着するのが、有床義歯補綴です。
そのため、義歯を長期間使用するためには、必ず何らかの調整や修理、再治療が必要になる可能性があります。
治療後に何も起こらないことを目指すのではなく、変化が起きた際に適切に対応できるよう、定期的に管理していくことが重要だと考えています。
入れ歯で食事をしているときに、「食べにくい」と感じた時点で相談していただくことが理想です。
我慢する期間が長くなるほど、状態によっては治療や改善が難しくなることがあります。
「まだ我慢できるから」と放置するのではなく、少しでも違和感や食べにくさを感じたら、早めに歯科医院を受診していただきたいと思います。
有床義歯治療、つまり入れ歯による治療は、決して簡単な治療ではありません。
しかし、もし入れ歯でうまく食べられず困っている場合は、岩戸歯科クリニックを受診してみてください。
私は45年以上、入れ歯を専門に治療を行ってきました。また、日本歯科専門医機構から補綴歯科専門医、いわゆる入れ歯の専門医としての認定も受けています。
現在の入れ歯に悩みや不満がある場合でも、解決策が見つかるかもしれません。
ぜひ一度、ご相談ください。お待ちしています。


岩戸歯科クリニック
木下 泉介
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